2006年05月02日

『富豪刑事』感想。

本屋の禁断症状に耐えかねて注文した本が届いたので、ちょっとずつ感想文。
まずは新潮社・新潮文庫:筒井康隆『富豪刑事』から。少し前にドラマ化されて、その時主人公の性別を変えたと聞いていたから、そのうち読んでみようと思っていた。……って、CMしてるッて事は、今もドラマになってるのか。知らなかった、今度見てみよう。



主人公は神戸大助という大富豪の息子にして一介の刑事。父親は昔大変あくどい手段でもって巨万の富を築き上げたが、その事を深く悔いており、正義のために財産を使い潰す事を心から喜んでいる。犯罪捜査のために常識外れな金の使い方をする息子を天使のようだと褒めそやしてその度発作で息が止まりかける。
……成程、こういう設定なら馬鹿げた金遣いでも問題ないしギャグにもなるな。偏見ではあるが、こういう無茶な設定は女キャラの方が作り物っぽさが増して見ていて面白いというのも分かる。こっちでは父親の美人秘書が主人公と恋仲っぽいけど、多分ドラマではこの秘書が消えているんだろう。ドラマは見た事がないけど、CMとかの感じではギャグっぽい作りだったし。

全4話構成の短編集であり、それぞれ強盗事件・密室殺人・営利誘拐・暴力団と色合いの違う事件だ。けれど解決には必ず主人公が富豪である事をきちんと生かしてある。
しかも解説で「きちんとミステリの約束事に準じている」と書いてあって読み返すと、確かにその通りだった。作中で「筆者は推理物なんて書いたことがないのでごめんよ」的な事が書かれていたけど、そんな事はなかった。
キャラクターは多少記号的であるけど、ミステリ(特にパズラー系)なんてそんな物だから気にならない。他の刑事キャラクターの説明が為されるのが最終話というのも諧謔味がある。
文章は流石筒井康隆、すいすいと引き込まれる読みやすさだ。初版が昭和59年という事もあって時代的なギャップは多少あるけど、全く気にならない。

面白くて楽しかった。前のシリーズがDVDで出ているらしいので、機会があったら見てみようかな。



この記事へのコメント
どうも。天竺浪人です。
トラックバック有難うございました。

小説も面白かったけど、ドラマのほうも中々のできですよ。
出演者の過剰な演技が楽しく、それでいて原作の味を損なっていません。
一度ご覧になってはいかがでしょうか。
Posted by 天竺浪人 at 2006年05月17日 23:28
どうも。天竺浪人です。
トラックバック有難うございます。

『富豪刑事』は小説も面白かったけれど、ドラマの方も中々の出来ですよ。
登場人物の過剰な演技が楽しく、それでいて原作の味を損ねてはいません。
ぜひ一度ごらんになってみてください。
Posted by 天竺浪人 at 2006年05月17日 23:32
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富豪刑事
Excerpt: 最近『富豪刑事』が深田恭子主演でドラマ化され、話題になっている。彼女のコミカルな
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