2006年08月11日

『インターネットの法と慣習』感想。


今日取り上げるのは、ソフトバンク新書:白田秀彰インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門』。タイトルを見て何となく購入してみた。
法学関係は全くの素人なので、どこまでついて行けるか心配ではある。でも、著作権とかデジタルコピーとかWinnyとか、気になる話でもあるので、頑張って挑戦。



元々はオンライン雑誌「HotWired Japan」に連載された話らしい。
まえがきによると、随筆の如く気楽に書いた物なので、書籍に纏めるのに結構手が掛かったそうだ。主観で好き勝手にネット向けに書き散らしていた、とあるが、確かにその名残は本文中にも見受けられる。

最初に断ったとおり、自分は法律系には酷く疎い。
そのため、第1章で法律の成り立ちについて解説されている部分は、「へー、なるほど」と新鮮な気持ちで読んだ。法学部出身者なら知っていて当然の基礎知識だろうが、英米法と大陸法の名前も自分は初めて知った。
平易な話しぶりだし、難しい単語もないし、ごく基本的な話だったので、普通に頭に入ってくる。法律の背景となる風土の話も含めて、日本と比較されている。

メインは第2章、権利について。
今問題となっているWinnyによるコピーや、知的財産権、オープンソースやフリーソフトなどについて話をしている。
紛争を如何に治めるかという法が、ネットワーク上には存在していない。なので整備した方が良い。しかし、法を制定する権威ある存在は、ネットワーク上では叩かれやすいから、現実の論理に押されている――おおざっぱに言えばこんな感じだろうか。

文章は変わらず判りやすいから、内容を立ち止まって考えやすい。
ネット上のトラブルを見た、または巻き込まれた経験は、大抵の人が大なり小なり一度はあるだろう。ブログ炎上とかは雑誌記事になったりしているし。
トラブルの治め方がないのは、確かに不安な状態だ。当事者の理性的な対応が肝心という事は、各個人が内在常識に従って対応するしかない、とも言い換えられる。

となるとルールが必要、となる筈だが、匿名性がそれを阻む。
本人特定がしづらいから何をやっても良い、叩かれて使いにくくなったHNは捨て、新たな名前で活動する……うん、そっちの気持ちも判らないでもない。自分も現実と余りリンクさせたくないから、個人情報はかなり制限しているつもりだし。

ルールは欲しい、けど匿名を続けたい、というのは我が儘なのだろう。ある程度は両立できても、やはりどちらかを選ぶ必要がある。
実際、mixiのようなSNSサーヴィスでは、匿名性は低い。知り合い同士のコミュニティは、現実でのサークルや近所づきあいに近い。会員制の下で構築されたルールがあり、通常のネットワークより過ごしやすい。

自分はまだ、どちらが良いと言い切れるだけの主張がないので、もうちょっとこの本を読んで考えてみたい。

<参考サイト>
Hotwired Japan
  http://hotwired.goo.ne.jp/
白田秀彰の「インターネットの法と慣習」 : Hotwired
  http://hotwired.goo.ne.jp/original/shirata/index.html
Research Papers of Hideaki Shirata
  http://orion.mt.tama.hosei.ac.jp/hideaki/indexj.htm

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