2006年08月24日

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』感想。


先日買ったPHP新書:平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』の感想。
タイトル買いをしたのだが、かなり興味深かった。ちょっと自分の読書スタイルを反省。

本の読み方は量ではなく、質である――本書の内容を一言で言えばこうなる。
速読術は本を味わうという観点において、全く意味を持たず、デメリットとなる。「内容の70%を短時間で理解」では、細かい部分に込められた作者の意図を理解していないからだ。

成程、と目から鱗が落ちた。そして自分が速読=読書に偏っていた事も。
速読術の無意味さは、確かにその通りなのだ。量をこなす事で得られる物もあろうが、あらすじを脳内に蓄えるだけでは何の深まりもない。
筆者は推理小説を例に挙げている。張り巡らされた伏線をきっちり生かし切った解決は、伏線を読み取りつつ読むと爽快感がいや増す。そして結末を念頭に置いて最初から読み直せば、見逃していた些事が生き生きと意味を持って目に入ってくる――物凄く判りやすい例えだ。

本書では『こころ』『舞姫』等のワンシーンを例に挙げ、精読の方法を解説している。国語の授業みたい、と感じるが、教師役が自分自身であり、授業の指針を自分で考えるという事を除けば同じだ。
丸々1作を細部までみっちり読み込むと、物凄い時間が掛かるだろう。でも、得られる物は確かに大きそうだ。

もうちょっと落ち着いて読もう、としみじみと思わされた1冊だった。


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